スペンサー・ウェルズ『パンドラの種 農耕文明が開け放った災いの箱』
- 作者: スペンサー・ウェルズ,斉藤 隆央
- 出版社/メーカー: 化学同人
- 発売日: 2012/01/26
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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人類は狩猟文明から農耕文明へ移行したことで爆発的に個体数が増加することになったが、それと引き換えに様々な災いも招き入れることになった。分子生物学の最新の研究では、初期の農耕文明の人類よりも狩猟文明の時代のほうがヒトは健康で寿命も長かったことがわかっているそうだ。
狩猟文明から農耕文明への移行によって発生したさまざまな現象を仮説から推測するのではなく、化石などを化学的に分析して得られた事実から結論を導き出していき、意外性もありながら非常に説得力があっておもしろい。
ただ最終的な結論をまとめると、「いろいろ大変だけどあまり多くを求めずに足るを知るのが大切だよ」ということで、常識的で誠実だけどそりゃまあそうだよなあと思ってしまう。