2012-04-01から1ヶ月間の記事一覧

しばらく読んだ本の感想を書くのをサボっていたのでまとめて書く。 ジョン・アップダイク『クーデタ』。ストーリーがどうこうというよりも、文章そのものの流麗な美しさに驚く。ジョン・アップダイクは小説家であるとともに詩人でもあるので、言葉の選び方が…

どうにもイライラしてしまってひとに強く当たったり、過剰なものの言い方をしてしまう。せめて感謝の意を伝える時くらいは笑顔で「ありがとう」と言わなければならんと思っているのに、どうもぎこちなくなってしまう。やけに他人に厳しくなっていてよくない…

久住昌之(原作) 水沢悦子(マンガ)『花のズボラ飯』(2)を読む。この巻もとてもおもしろかった。 この作品は出てくる料理がおいしそうという以上に、主人公の花のリアクションが極端におかしくてつい笑ってしまう。でも、こういうひと実際いる。ぼくはわりと食…

オルハン・パムク『わたしの名は紅』を読む。素晴らしい作品だと思う。ハードカバーで600ページを超える大部の小説だが、あまりのおもしろさに巻を措く能わず読みふけり、あっという間に読了してしまった。 時は西暦1591年。イスラーム暦千年を翌年に控える…

よしながふみ『きのう何食べた?』(5)を読む。いやーおもしろい。よしながふみの作品はどれもおもしろいんだけど、この作品はほんとうにいい。トマトと山芋のみそ汁ってどんな味なんだろう。

アルべルト・モラヴィア『軽蔑』を読む。サルトルは「地獄とは他者である」と言ったが、この作品はまさに他者という地獄を執拗に描き出し、読者を困惑せしめ、陰鬱な気分に叩きこむ。すさまじい。これほど生々しくて苦々しい小説もなかなか無いんじゃないだ…

午前中は台風の影響か気圧の影響か体調が悪かったけれど、午後にはだいぶ持ちなおしてほとんど良くなっている。いろいろなものに興味を取り戻しつつあるし、たぶんもう大丈夫だろうと思う。マンガもいつもどおり読めるようになっている。 器械『アキタランド…

読書家にはふたつのタイプがあると思う。池澤夏樹は「読書というのは癖である、読書癖という性癖である」と言っているのだけれど、これは幼少期から読書家だったひと、なかんずく生まれついて大量の本に囲まれて育ったひとにしか当てはまらないだろう。活字…

メアリー・マッカーシー『アメリカの鳥』を読む。こういうビルドゥングスロマンを読むのもひさしぶりだ。親譲りの無鉄砲で小供の時から損ばかりしているといった感じの主人公ピーターは、「誰であれ人を手段として利用してはならない」というカントの言葉を…

本屋に行ってマンガを三冊買う。読めるかどうかはわからないけど、昨日よりはだいぶ気分も良くなっている。 クリスタ・ヴォルフ『カッサンドラ』を読む。これは難物だと思う。ヴァージニア・ウルフに影響をうけているそうだけど、ウルフのほうがよっぽど読み…