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スティーヴン・ジェイ・グールド『ワンダフル・ライフ―バージェス頁岩と生物進化の物語』

ワンダフル・ライフ―バージェス頁岩と生物進化の物語 (ハヤカワ文庫NF)

ワンダフル・ライフ―バージェス頁岩と生物進化の物語 (ハヤカワ文庫NF)

グールドの代表作。進化生物学の古典中の古典。これもまだ読んでなかったのかって笑われそうだなあ。

僕は本を読む前にその本がどういう内容なのかをあまり確認しないので、実際に読んでみて「あれっ? こういう本だったのか!」と思うことが多い。この作品も読む前はバージェス動物群の生物がいくつか紹介されているカタログのような本なのかなと思っていたら(そういう部分もあるけど)それだけではなく、バージェス頁岩で発掘される古生物の化石がそれまで人類が築き上げてきた生命観を根本から揺るがすさまをドラマティックに描いた本であって、期待よりもさらに刺激的でおもしろかった。

内容自体はさすがに古さを感じるものの(例えばハルキゲニアが上下さかさまに描かれている)、人類がいま存在しているのは神の見えざる手が働いたわけではなくてただの偶然の産物であるという主張や、生物の多様性は円錐状にツリーのように複雑化していったわけではないという説明などは非常に説得的で頷ける。

ただ、最後の方のウォルコットがなぜ間違った説を提唱したのかを検証する章は、科学史としては重要なのかもしれないけど特に興味がわかなかった。その辺は読み飛ばしてもいいんじゃないかな。