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オススメプライムビデオ 外国映画編

お題「オススメプライムビデオ」

Amazonプライムビデオで観られるおすすめ映画を比較的新しいもの中心で。「ニュー・シネマ・パラダイス」や「タクシードライバー」などクラシックなものまで入れると際限がないのでそれらは省いた。

ブラックホーク・ダウン

現実にソマリアであったゲリラ戦の映画なのだが、米国側からの視点でしか撮られていない作品で、ソマリア人の描写は特にひどく、殺しても殺しても湧いてくるゾンビのようにしか描かれていない。しかし、ゾンビアクション映画として観れば秀逸。「プライベート・ライアン」の冒頭シーンが2時間続く感じで非常におっかない。

スコット・ピルグリムVS.邪悪な元カレ軍団

ナードの妄想をかっこよく映像化した超能力バトル映画と表現すると、バカバカしく思われるかもしれないが、まあ、実際バカバカしく、とてもおもしろい。音楽をうまくつかっていて演出が小気味良い。原作から格闘ゲームのパロディで、ゲームファンならよりたのしめるだろう。

ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン!

スコット・ピルグリム」のエドガー・ライト監督作品。というよりハードコアな映画マニアならまずこちらに指を折るか。イギリス映画らしいブラックかつ品の良いコメディ。日本での封切りがなかなか決まらず、上映を求める署名運動に発展したこともあるほどで、熱狂的なファンが多い。

英国王のスピーチ

史実を元にした吃音の英国王の物語。唐突に王位を継承したゆえの周囲のプレッシャーと、障害のため王たる威厳ある振る舞いがうまくできない現実に苦しむジョージ6世。生まれ育ちから来るプライドの高さのため、吃音の治療を担当する医師と最初は激しく対立するのだが、次第に信頼と友情が芽生えていく様が巧み。アカデミー作品賞を受賞している。

ゼロ・ダーク・サーティ

9・11からウサーマ・ビン・ラーディン暗殺までの、CIAのアフガンでの対テロ活動の暗部を描いたドキュメンタリー風作品。冒頭からリアルで陰惨なアラブ人捕虜の拷問シーンが続き、かなり重苦しい。CIAによる捕虜の人権を無視した尋問もひどいのだが、捕虜の尋問に失敗すると、度重なるテロが続き犠牲者がどんどん増えていくわけで、苦悩は続く。胃の痛くなる映画。

ウォッチメン

アメコミ史上に燦然と輝くアラン・ムーアデイブ・ギボンズによる傑作中の傑作ビジュアル・ノベルの初映像化。原作があまりにも偉大すぎるがゆえに評価が低く語られがちだが、あのボリュームの内容をうまくまとめたなと私は思います。ただ、単純なストーリーではないので、先に原作を読んでおいた方が理解しやすいのは間違いない。

トゥルー・グリット

チャールズ・ポーティス原作『勇気ある追跡』は、過去にジョン・ウェイン主演の西部劇映画がすでにあるのだが、これはコーエン兄弟による再映画化作品。最後の方の展開が急すぎないかと思わなくもないけど、タフな雇われ用心棒を演じるジェフ・ブリッジスがいい味を出している。これが気に入った人は「ノーカントリー」や「ファーゴ」もどうぞ。ただ、個人的にはコーエン兄弟はコメディ映画こそ真骨頂だと思うので、(プライムビデオに無いが)「ビッグ・リボウスキ」などもチェックしてみて欲しい。

her/世界でひとつの彼女

AIとの恋愛映画、というか失恋の映画。これを挙げるかちょっと迷ったが…、昨今AIが流行りなので話のネタとして観てみるのもいいだろう。数々の傑作ミュージックビデオを撮ってきたスパイク・ジョーンズ監督作品で、映像の美しさは言うまでもない。

マチェーテ

クエンティン・タランティーノの盟友ロバート・ロドリゲス監督作品。タランティーノが絶賛していることからもお察しのB級アクションバカ映画。「グラインドハウス」を先に観て予習しておこう。どちらかというと「フロム・ダスク・ティル・ドーン」の方を推薦したいけどプライムビデオに無い…。

シティ・オブ・ゴッド

事実を元にした、ブラジルのスラムでのギャング抗争を描いた作品。「ブラックホーク・ダウン」のソマリアもすごいがこっちも壮絶。リアルなバイレファンキ(ブラジルのゲットーミュージック)のパーティーが映像に収まっているという点でも貴重。

ピアニスト

ミヒャエル・ハネケの作品はすべて素晴らしいのだが、これが一般に最も知られている作品かな。性的に抑圧された中年女性のグチャグチャな感情を、カミソリのような冷徹な映像で描き出している。観ると最悪な気分になります。いろいろな作品を挙げたけど、これが一番おすすめ。おもしろい映画ばかり観ていてはいけない。カンヌ国際映画祭でグランプリを受賞している。

余談

映画って意外と何を観たらいいかわからなくなりがちで、自分の場合、昔はCinemaScapeの熱狂的映画の殿堂のランキングを上から順番に全部観るとかしてたけど100作品しかないし、CinemaScapeは利用者がここ10年くらいほとんど増えてない感じなので新陳代謝もない。今はRotten Tomatoesのランキングを上から順番に全部見るとかしてる(日本でソフト化されてる作品だけだけど)。キネマ旬報のランキングを全部観てる人とかもいる。

ランキングを上から順番に全部観るメソッドのメリットとして、自分があまり興味が無いジャンルの作品も強制的に観られるという点で、鑑賞の幅が広がって良い。ただ、どうしても大多数に好まれる作品しかランキングに上がらないので、一部の人にだけ強烈に支持されるような作品は漏れてしまう(そしてそういう作品は得てして傑作だ)。自分の好みそうな作品を毎月10本くらいおすすめしてくれる批評家とかいればいいんだろうけどいないっぽい。

Amazonは利用者の閲覧履歴やレビュー履歴を持っているので、利用者の作品の好みを分析して、次はこの映画を観ろとどんどんリコメンドしてくれると便利かなと思う。いまも「この商品を観た人はこんな商品も観ています」っていうのがあるけど、いまいち参考になったことがない。Steamのディスカバリーキューみたいなのが理想的な感じ。

「マン・オブ・スティール」

あまり評判が良くないみたいだけど、ぼくはおもしろいと思った。

たしかに、前半の展開はたるいし、手持ちカメラの多用は鬱陶しいし、やっぱりコスチュームがどうアレンジしてもダサすぎるという問題点や、手を前に突き出して空を飛ぶ様が間抜けとしか言い様がないところとか、いろいろいろいろだめな点を言い出せばきりがないけど、それでも後半のアクションシーンは見事なもの。とにかく頑丈な人間が飛び跳ねまくり、そこら中を破壊しまくる爽快感が素晴らしい。まあ、ストーリーは脇に置いといて、特に深いことを考えなければ楽しめる作品だと思う。

「007 スカイフォール」

007シリーズを観るのは「トゥモロー・ネバー・ダイ」以来である。ダニエル・クレイグの演じるジェームズ・ボンドも、タフガイという感じでなかなかかっこいい(走っている姿は「ターミネーター2」のT-1000みたいだけど)。ただ、「ダークナイト・ライジング」もそうだったのだが、オープニング・シークエンスが一番面白かったかな。それと、こちらの作品も老いをテーマにしているのは、青年期にこれらの作品を受容していた年代が高齢化してきているということか……。それにしても、不気味な悪役をやらせたらハビエル・バルデムの右に出るものはいないなあ。砂に塗れるTom Fordのスーツも美しい。

「ダークナイト・ライジング」

ダークナイト ライジング [Blu-ray]

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オープニング・シークエンスの飛行機からの脱出シーンは凄みがあるのだが、全体的に退屈というほかなかった。「ダークナイト」の成功は、ヒース・レジャーの存在が大きかったのだろうなあと改めて感じた。あと、ダークナイトシリーズは、バットマン自体が実は狂気の(アンチ)ヒーローであるという点が暴かれることこそが肝だと思うのだけれど、本作ではその視点がまったく欠けている。まあ、「バットマン ビギンズ」と同じくらいには面白いのだけど、「ダークナイト」が良い作品だっただけにがっかりである。

「ゼロ・ダーク・サーティ」

9・11からウサーマ・ビン・ラーディン暗殺までの、CIAのアフガンでの対テロ活動の暗部を描いたドキュメンタリー風作品。冒頭からリアルで陰惨なアラブ人捕虜の拷問シーンが続き、かなり重苦しい。

CIAによる捕虜の人権を無視した尋問もひどいのだが、捕虜の尋問に失敗すると、度重なるテロが続き犠牲者がどんどん増えていくので、とにかく胃の痛くなる状況が続く。泥沼の対テロ戦争の裏側を説得力のある映像で描いている。

政治的な観点で言えば、そもそもアル=カーイダはソビエトのアフガン侵攻に対抗するためにCIAが主導して武装化させた組織が発展したものだし、ビン・ラーディンが反米に転じたのは、米軍のサウジアラビア駐留に原因があるわけで、9・11が全ての発端であるかのように描いているのは、ちょっと単純化し過ぎだろうとも思う。映画としてはよくできているのだが。

「ブラックホーク・ダウン」

ブラックホーク・ダウン [Blu-ray]

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高野秀行の傑作ルポルタージュ『謎の独立国家ソマリランド』を読んで、ソマリアという国自体に興味が出てきたので、この映画も観てみた。ソマリアの民族紛争(というより氏族紛争と言った方が正しいが)に対する多国籍軍の軍事介入という史実を扱った作品なので、もっとポリティカルな感じかと思ったら、これ、ジャンル自体はゾンビ映画ですよね……?

「月に囚われた男」

ロボットがやけに情に厚く、せつない感じで悪くはないと思うんだけど、ストーリーは平凡。一時間くらいのショートフィルムでよかったのでは。