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F.O.マセーシン『ヘンリー・ジェイムズ』

現在、私たちが主として注意しなければならないのは、ジェイムズの方法と「意識の流れ」の小説の間には大きな差異がある、という事実である。「意識の流れ」というこの言葉は、『心理学の諸原理』の中でウィリアム・ジェイムズが用いた言葉であるが、弟ヘンリーの小説には、フロイト以後の小説に特徴的な暗い意識下の衝動の噴出がまったく見られない。ジェイムズの小説は意識の全域を扱う小説というよりは、むしろ厳格に知性の小説である。