中谷宇吉郎『雪』

雪 (岩波文庫)

雪 (岩波文庫)

青空文庫のものを読んだ。

作者の意図とは別だと思うが、科学的発展は貪欲な探究心によって起こるというのがよく描かれていておもしろい。しかし、著名な本だが今あえてこれを読まなければならない必然性というのも乏しいように思う。

一般に知られている雪の結晶の形は綺麗な正六角形の物が多いが、実際に多く観察されるものは不定形のものが多く、端的に言って見た目には汚いという指摘には、何事につけわかりやすく綺麗なものにだけ目を向けがちだが、そればかりだと事実を見損なうものだなあと勝手に納得した。