村上陽一郎『ペスト大流行―ヨーロッパ中世の崩壊』

中世ヨーロッパで猛威を振るった感染病ペスト。当時のヨーロッパの人口のおよそ三分の一がこの病気で死んだというのだから途方も無い。とにかく人間が死にまくり、ペストで死んだ人間を埋葬しようとした人間もペストに感染して死んでしまうから街は死体で溢れかえる。とんでもない事件だったんだな。

ペストの原因がわからないからスケープゴートとしてユダヤ人が排斥されたりして、今も昔も変わらないんだなと暗い気持ちになる。

新書なので若干物足りなさが残るけど、コンパクトにまとまっていてさらっと読めるしおもしろかった。