酒井直行『妹はラノベの女神ちゃん』

妹はラノベの女神ちゃん (スマッシュ文庫)

妹はラノベの女神ちゃん (スマッシュ文庫)

主人公の名が事もあろうに「九十九十九」であるとどこかで知り、これはゲテモノに違いないと思って読んでみたけどちっともおもしろくない凡作だった。がっかり。

舞城王太郎みたいなメタフィクションを書きたいという意欲はわかるけど、ただライトノベルのフォーマット(お約束)をなぞってそれにツッコミを入れているだけになってしまっていて、あまりにも安易すぎる。その点も含めていかにもなラノベなんだけど……。新人賞の下読みをやったことあるひとはこういう作品を山ほど読んでるんじゃないかな。

作者は愛媛のアイドルグループひめキュンフルーツ缶のプロデューサーで、この作品のヒロインたちもひめキュンのメンバーをモデルにしているそうだ。なので、ひめキュンのファンは楽しめるのかもしれないが、個人的にはまったくおすすめしない。