サイモン・シン『暗号解読』
- 作者: サイモンシン,Simon Singh,青木薫
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2007/06
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人類をめぐる暗号の歴史とそれを打ち破っていくひとびとのドラマ。
同じ作者の『宇宙創成』がおもしろかったので読んでみた。こちらもものすごくおもしろい。
公開鍵暗号方式なんかはとくになんとも思わずに日常的に使っている技術だけど、こうして暗号の歴史を見てみるとどれほど画期的な方式なのかがよくわかる。
隠された財宝のありかを示すビール暗号もロマンティックでよかったし、ロゼッタストーンから量子暗号までどのエピソードもおもしろい。エニグマなんかは名前は何度も聞いたことがあるけど、実際にどういう仕組みになっているのか知らなかったのでたのしく読んだ。
これは著者の語り方によってそう見せているのだとも思うのだけれど、地道な努力で研究を積み重ねて新しい暗号やそれを解読する方法を考案するというというよりは、むしろ一人の天才のひらめきによって一瞬にして暗号の世界にブレイクスルーが起こるように見えてそれが痛快だった。絶対に解読不可能と思われた暗号を前にして、だれも発想できなかった解読法が編み出された瞬間の驚き。だれもがそれに気付く可能性があったにも関わらず。目の前がパッと明るくなったかのように思える瞬間が何度もある。