貴志祐介『硝子のハンマー』

硝子のハンマー

硝子のハンマー

密室もの新本格ミステリ。

二部構成になっていて、第一部が密室トリックの推理を行うパートで、第二部でその密室がどのように作られたのかを倒叙形式で語っていく。

あまり評判が良くない作品みたいだけど、それほど悪い作品でもないと思う。もっとも純然たる娯楽ミステリなので、『青の炎』や『黒い家』を期待すると肩透かしを食らうかもしれない。

ただ、犯人が殺人に至る動機が弱い。トリックが解明されなければ追求されることもないんだから別に殺す必要はなかったのでは……。