ヴァージニア・ウルフ『ダロウェイ夫人』

ダロウェイ夫人 (角川文庫)

ダロウェイ夫人 (角川文庫)

まさにヴァージニア・ウルフという感じ。美しい文章と取り留めのないストーリー。
ガルシア=マルケスはこの作品に強く影響を受けたそうだけど、わかるようなわからないような。一人称小説で語り部がころころ変わるのは『族長の秋』に近い気もする。作品の雰囲気は全く違うけど。
けっして暗い小説ではないのだが、老いや死のイメージがところどころに挿入されて強い印象を残す。
ただ、当時のロンドンの風俗に関心があったらもっと楽しめたかもしれない。