ガブリエル・ガルシア=マルケス『予告された殺人の記録』

予告された殺人の記録 (新潮文庫)

予告された殺人の記録 (新潮文庫)

小説の冒頭で主人公が殺されると宣言される。主人公の周りのひとたちも彼が殺されるということを知っている。そして実際に殺人は実行される。彼が殺されるに至った理由はなんだったのか。一流のルポルタージュのように冷静な視点で殺人に至る経緯が淡々と描かれていく。

ミステリ的な要素もあり引き込まれるし、構成は見事にまとまっていてさすがだけど、露骨な残酷描写もあって案外通俗的に感じる。