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ガブリエル・ガルシア=マルケス『エレンディラ』

エレンディラ (ちくま文庫)

エレンディラ (ちくま文庫)

この短篇集は十年以上前に読んで、たしかぼくがいちばん最初にふれたラテンアメリカ文学がこの作品だったと思うが、当時は小説自体ほとんど読んでいなかったし、文学に対する知識もまるでなかったからか、なんだかわけのわからない気味の悪い小説だなあと感じた記憶がある。 

先日読んだ『族長の秋』にいたく感動したので、せっかくだから『エレンディラ』も再読してみようと思い読んでみたのだけれど、やっぱりわけのわからない気味の悪い小説だった。当時の自分、ちゃんと読めてるよ!

でも嫌いでは全くない。表題作の「無垢なエレンディラと無情な祖母の信じがたい悲惨の物語」は、主人公の少女エレンディラが悪魔のような祖母の手によって強引に娼婦として働かされるという作品で、まあほんとうに悲惨な物語としか言い様がないんだけど、ガルシア=マルケス特有のとぼけた雰囲気の物語で、さほど深刻な感じもせず超然としていておもしろい。

一番好きな作品は「この世でいちばん美しい水死人」かな。これなんて、漂着した水死体があまりにも美しいというのでそれがもとで騒動が起こるという率直に言って気持ち悪い作品なんだけど、いい。

でも、いきなり『エレンディラ』 を読むよりも『百年の孤独』を先に読んだほうがいいだろうな。