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高浜寛『トゥー・エスプレッソ』

トゥー・エスプレッソ 

高浜寛の四年ぶりの新作。発売したのは去年だけど今頃読んだ。

最初の単行本の『イエローバックス』はリアルタイムで読んでいて、かなり衝撃的だったのを覚えているんだけど、次作のフレデリック・ボワレとの共著『まり子パラード』がちょっと合わなくてそれから読まなくなってしまっていた。だけど、この作品はほんとうにすばらしい。

一人の男が愛知県の辺鄙な田舎にやってくる。男は十七年前に一晩だけを共にした女性に会いにフランスからやってきたのだという。しかし、正確な住所までわからないのでその女性はみつからない。数奇なめぐり合わせによって、男は喫茶店の手伝いをしながらその女性を探すことになるが…。

力のある作家は嘘を付くのがうまい。そんな偶然ありえないよって言いたくなるシーンでも、それを許せるのが豊かなフィクションだと思う。

でもなんかこういう話にグッとくるようになったのは自分がおっさんになったからなのかな…。